御蚕様
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昭和七年、氷室家二十三代目当主、氷室源一郎の葬儀の場面から。氷室家には源一郎の妾腹の子、千種や、他界した長女・小雪の夫・寛至らが集まり、没落した氷室家と、オシラサマを祀る巫女の謂われが語られ、やがて明らかになる淀んだ血の軛……作者得意の旧家物の集大成的な作品で、物語性と様式美のバランスに優れた舞台となった。「様式的な対話劇」という両立しにくい要素が融合した、紅王国、第二のピークを示す作品である。
観客からは、フェミニズムの物語と受け取られ、女優陣のハイレベルな演技が好評であったが、劇評では男優陣が評価されている。
なお、同タイトルで現代を舞台とした、姉妹編の台本も存在するが、こちらは未上演である。 -
【中野・劇場MOMO】
【スタッフ】
作・演出…野中友博/音楽…寺田英一/美術…松木淳三郎/照明…中川隆一/音響…葛城啓史/音響操作…山口睦央/宣伝美術…河合明彦/舞台監督…根岸利彦/制作…在倉恭子
【出演】
氷室正平…中川こう/氷室日向子…畠山里美/氷室美雪…円谷奈々子(劇団前方公演墳)/金満寛至…末次浩一/御嶽千種…恩田眞美/永邑瑞穂…鰍沢ゆき/氷室暁悦…小林達雄(岸田理生カンパニー)/氷室雪代…北島佐和子 -
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