工場
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自分は外の国からやってきた人間だ。
この工場にやってきて、廃液処理の仕事にありついた。職場の人はやさしい。
だけど規則が山のようにある。調和、規則、団体行動。一日でいやになったが、出稼ぎにきているから辞められない。
ある時、屋上にいると知らない社員がやってきた。
そして急に煙草をふかしはじめた。ここは禁煙だ。それなのに、無言で差し出して勧めてくる。自分は煙草が吸えないと断った。
そいつはドモリだった。ほとんど話さない。話してドモルと、言いなおすまでに時間がかかる。すると待っている相手との間に、変な空気が流れる。だから話さない。
しかし毎度その煙草をふかす後ろ姿をみながら、こいつは意外と度胸があるし、うまいことやっているなと感心した。
それから気づいたことがある。この国の人たちもサボって力を抜くときがあるということだ。規則の多いこの工場は、みな色々なものに縛られている。
だけど、案外上手くやっているようだ。 -
世界は""すこし変""で彩られている。
世田谷シルク「工場」
2019年8月13日(火)-18日(日)
・脚本・演出
堀川 炎
・配役
上司・・・石川彰子
社員・・・中島有紀乃
事務員・・・堀川 炎
派遣・・・中藤 奨
移民・・・代田正彦
2階の男・・・大迫健司
通訳・・・荻野祐輔
・劇場
こまばアゴラ劇場
・スタッフ
脚本・演出・チラシデザイン:堀川 炎(世田谷シルク/青年団)、演出補:早坂 彩(青年団)、
演出助手:海野広雄(世田谷シルク)、美術:鈴木健介(青年団)、
舞台監督:土居 歩、音響:佐久間修一、照明:阿部将之(LICHT-ER) 、
写真:三浦雨林(青年団)、映像:畑中涼真、制作:金城七々海 -
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