本土決戦間近の日本、一人の男が寺の住職から観音様の疎開を頼まれる。この観音様は鉄でできているため、供出しなければならない。だが、仏を溶かすことはできない。盗まれたことにして、疎開させて欲しいと。男は鉄の観音様を背中に背負い、九州まで疎開の旅に出る。旅の途中、様々な人や苦難にあいながらも男は旅を続ける。泥棒、戦時下での結婚に悩む若者、原爆で死んだ少女、悪にそまるこどもたちなど。男の背中で観音様は、そんな人々をじっと見つめる。やがて、男の観音様は憲兵に見つかり、供出1よう命じられるが、男は拒む。この観音様は武器になるためにうまれたのではないと。長い旅が終わり、男が疎開先に着いた時に、戦争は終わっていた。戦時下の日本を舞台に描いた架空の物語

劇場：風姿花伝　出演：岡崎瑶治　KIYOMI 　梅原勇 駱よしのり　永山満　他　　照明：三田弘明　音響：小島由希子

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