螢の光
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尼崎。北の突き当たりの市営団地。傍には水路。
ドブのような水路にもその時期には数匹の蛍が舞う。
6月の日暮れ。
団地に住む平凡な妻、井上晴子が消えた。
同日、近所のコンビニには女の強盗が入ったらしい。
そして一週間。
晴子の夫、勉は会社を無断欠勤し続けている。
そこへ突然、かつて同じ団地にいた鈴子が十数年ぶりに訪れる。
晴子との約束を果たしに来たという。
約束の詳細は明かそうとしない。
そこへ、思い詰めたような林の妻がやってくる。
林の夫も先週、突如消えたという──。
縫製の内職をしていた晴子のミシンからは、林家の窓が見える。
林の夫の書斎に点る灯までよく見える。
晴子のミシン机の灯も毎夜点っていた。
そのふたつはまるで呼応1螢の光のように瞬いて──。 -
第4回 近松門左衛門賞 受賞作品
<作>角ひろみ
<演出>深津篤史(桃園会)
<上演団体>
兵庫県立ピッコロ劇団 第40回公演
尼崎市/(財)尼崎市総合文化センター/兵庫県立尼崎青少年創造劇場 共催事業
<劇場>
ピッコロシアター 大ホール
<出演>
岡田力
木全晶子
木村保
杏華/道幸千紗(Wキャスト)
亀井妙子
<スタッフ>
美術:池田ともゆき
照明:吉本有輝子
音響:Alain Nouveau
衣裳:亀井妙子
舞台監督:鈴木田竜二
制作:兵庫県立ピッコロ劇団/財団法人尼崎市総合文化センター -
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