解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話
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この戯曲は2009年に東京女子大学で実際に起こった出来事をモデルにしています。
その夏、私は新聞の記事で、自分が通った女子大の体育館が解体されることを知りました。当時大学の中に体育館は二つあり、そこは旧体育館と呼ばれていました。
体育館の解体を惜しんだ一人の学生が論文を書いたことも知りました。彼女はこの学校の中で旧体育館がどのように機能するべく設計されたか、どのような役割を果たしているのかを研究して、論文にしたそうです。修士論文の担当教授にも内緒で。必死に旧体育館について書いたのだそうです。
これはとても美しい話だと私は思いました。とても美しい声の上げ方だと思いました。
彼女の行為によって、大学時代のふてくされていた自分が救われたようにも思えました。
そして戯曲を書きました。失われていくことへの人間からのささやかな抵抗をしめすために。彼女と、私と、そして何百人といたあの学校の女子学生たちのお話です。 -
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