大津皇子
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大津皇子は類まれな資質を持つ偉丈夫である。一方皇太子草壁皇子はこれに劣る。これを危惧して后(後の持統天皇)が仕掛けたのが、大津皇子謀反事件の定説と言えよう。だが、この事件は不思議この上ない。事件収束後ただちに関係者が皆許されていることだ。先ずこのことを考えてみた。またこの事件は、実は半島情勢と深く関わっているのではないかというのが新しい視点の一つである。これらを基本に、万葉集に見える大津と大名児、津守連の三角関係。妻との夫婦愛。伊勢斎宮との姉弟愛。若き人麻呂とその恋人との純粋な愛。一宮女の報われることのない高市皇子への愛。家臣真鳥との主従愛。それら様々な愛の諸相を絡ませながら,大津が謀反に追い込まれて行く過程を描いてみた。狂言回しとして、冥府から有間皇子を登場させたのも一工夫である。
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演出 川口啓史 シアターグリーン(ビッグ)
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