国境のある家
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1980年代、神奈川県逗子市。米軍の接収地、池子の森に米軍住宅建設問題が起こり、それの賛否を巡って逗子市は真っ二つに割れた。
この街に三世代が同居する一家があった。
祖父は明治の文豪・徳冨蘆花の研究家、今では自分こそ蘆花本人と思っており、祖母は接収地の地主の娘で、今も密かにあそこは我が土地と足繁く「侵入」する。一家の主である中年の男は、自動車メーカーに勤め、政治に無関心を決め込みオーディオに没頭。その妻は米軍基地反対派のリーダーとして市長選に奔走する。夫婦は互いの行動を干渉しない。また、OLの娘と浪人中の息子も自分の思うままの生活の中にあった。そんな一家に、ある日、予想もしない事態が起きる。
八木戯曲の主題、「家族」と「昭和」という二つの流れを延長し交差させ、満を持して書き下ろした作品で、国家、歴史、憲法、戦争、革命、人種、環境、性… 戦後日本人のアイデンティティを三世代の立場で検証する。
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・芸術祭賞及び紀伊國屋演劇賞個人賞受賞
・再演履歴
・1989年2月8日- 劇団青年座公演
・2007年1月26日- 劇団俳優座公演
・2012年4月21日- 劇団青年座公演(青年座セレクションvol.4) -
本多劇場(劇団青年座第97回公演)
演出 石澤秀二
出演 森塚敏/東恵美子/大塚國夫/泉晶子ほか -
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