この橋で、いつか
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満州鉄道で、花形職業のタイプライターとして働くよしこと、なつ。憧れの満州での生活は、ある日、突然、一変する。
私が小さい頃、身の回りに満州引揚げやシベリア抑留経験のある方があちこちにいらっしゃいました。しかし、どこか遠くの話だと思っていました。大人になったある時、いつも親しく話していた方が、ぽつり、と、「満州におったんですわ」と言われた時、自分は何を今まで聞いた来たのかと、頭が真っ白になりました。引揚げの方々が身近にいた世代の役目として、満州引揚げの物語を書いて次世代に継がなければ、という思いで形にしたのがこの作品です。
本作は、コロナ禍の令和2年度に高校演劇の大会のために書き下ろされた二人芝居でした。しかし、コロナ禍の例外に漏れず、本番4日前に、上演中止かひとり芝居として上演するか、という選択を迫られました。「ひとり芝居ででも上演したい」という生徒の声を受けて二人芝居をひとり芝居に書き換えて大会で上演。数年の時を経て、その作品を再び二人芝居に書き改めました。
コロナ禍に翻弄された私たちと、戦争に翻弄された人々。
一人でも多くの方に読んで頂き、戦争があった、という事実に想いを寄せて頂ければ幸いです。 -
劇場:三股町立文化会館 出演者:今井真心人(ひとり芝居)
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