あなた わたし さよなら

  1. 週末のカフェでぎこちなく会話する男女。

    どうやら二人はマッチングアプリ「ラブラブ・カムカム」を通じて知り合った婚活中の男女で、この日が初顔合わせのようだ。

    女は必死に会話を振るが、何かと失礼な男となかなか会話がかみ合わない。

    一度は帰ろうと席を立った女だったが、自分を奮い立たせ、目の前にいるのがただの無神経な男なのかそれとも何か事情があるのか・・知ろうと努力する。

    そうして損得勘定から解放されて会話を進めてみると、共通点など何もないかと思われた相手にも共感できる要素があることに気付く。

    目の前にいる人間を男女である以前に一人の人間として見ることで、未来が変わることに気づいた二人は笑顔で店をあとにするのだった。



    男「失礼ですけど、あなたは年収以外はぼくの希望条件にかすりもしないひとでした。『二十二歳から三十二歳の美人』検索以前のぼくなら、こうして会うこともなかったでしょう。しかも会ってみたら、すごく楽しい」



    女「『二十二歳から三十二歳までの美人』検索以前どころかアプリ登録以前から、その腐った人間性でたとえ年収二千万のイケメンだったとしても挽回できないくらい致命的なハンディー負っちゃってるって自覚ある?」

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    劇場に限らず、俳優と空間があれば上演可能な戯曲です。

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