昭和二十年、敗戦の年の十二月。この年は、半世紀に一度の大凶作だった。 信州、松本近郊の里山辺の丘陵地にある庄屋・望月多聞はこの地の村長であり、名士であった。敗戦、食糧難などの事情で望月家の子どもたちやその家族が帰郷してくる。しかし望月家の ...
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朝鮮平壌出身。1966年、俳優座養成所を卒業後、串田和美らと劇団「自由劇場」を結成。69年からはフリーになる。80年、自由劇場の『上海バンスキング』で岸田國士戯曲賞を受賞。同劇団への書き下ろしは、平安初期に天皇の寵愛を受けた女官の激動の生涯を辿る『クスコ』や、昭和初期の浅草に生きる芸人らを描く『黄昏のボードビル』などがある。偉人、著名人から市井の人々まで、時代に翻弄されながらもひたむきに生きる人間の姿を活写する戯曲は、高く評価されている。劇場開場時の記念公演を多数手がけ、97年の東京国際フォーラム開場に際し歌謡曲作詞作曲家・西条八十の生涯を東京の変遷に絡めた『カナリア』を執筆し、菊田一夫演劇賞を受賞した。また06年、長野の富農一家を通して戦後の日本人を見つめる『春、忍び難きを』で紀伊国屋演劇賞、鶴屋南北戯曲賞を受賞。2011年に逝去。(国際交流基金・日本の現代戯曲データベースより)