月に眠る人

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劇作家:
渡辺えり
目安となる上演時間:
90~120分
目安となる上演人数:
1人 (その他1人)
  1. 愛とは何か?記憶とは?人間とは?人間の存在そのものを問う超大作。
    「風間運輸」という名の引っ越し屋の後を継いだ風間重吉は最近疲れやすくうつ病のような状態となっていた。

    引っ越し途中のマンションの一室で作品を書き続ける作家の部屋を片付けている途中、燃え尽き症候群のように動けなくなってしまった重吉。その部屋のすぐ上の精神科のカウンセラーを受け、
    自分の過去をさかのぼり深層心理をたどっていくと、忘れていた過去が蘇り、自身の出生の秘密にも気づかされ、自分自身の中に眠る、多重人格の重子と軽子という正反対の人格が現れる。

    マンションの屋上から飛び降り自殺した小学生時代の親友が子供のままに蘇り、少年自体が様々な変装をして重吉を惑わせる。

    作家の飼っている夢を食べる「猫」が実は重吉の親友の化身でもあった。

    何が現実で何が「夢」なのか?風間運輸を経営する一家である登場人物すべての過去と重吉の過去が蘇り、狂った者の精神が生み出す月の世界で悪夢を退治する小人との出会いを通して
    回復しかけた重吉の精神だが、 実際に「ある」ということと「想像」の世界のとを別することにどれほど価値があるのか?多重に分かれた人格のそれぞれの真実と向き合ったとき、統合することの意味がはたしてあるのか?

    自分は一体何者なのか?登場人物がそれぞれに多重化しながら人間存在の意味を問う、奇想天外な音楽劇。当時の劇団3〇〇劇団員全員にあて書き、役を多重化することで役者全員が活躍できるように書かれた新作である。

    関西弁、博多弁、山形弁役者の出自に合わせ、方言を生かした前代未聞のストーリーとなっている。

  2. 劇団3○○ 1993年6月公演 作・演出 渡辺えり子
    シアターアプル

    出演者=根岸季衣・宇梶剛士・大谷亮介・川上泳・田中利花・田根楽子・松元ヒロ・山崎ハコ・渡部又兵衛・東銀之助 
    内野智・大森寿美男・立花弘行・武発史郎・中川圭永子・前田和守・渡辺えり子 他15名(一人大阪公演のみ)」

    スタッフ:美術=キヤマ晃ニ 照明=中川隆一 音響=原島正治 舞台監督=藤田秀治 小道具=杉山嘉代子 振付=菅原鷹志 殺陣=矢車武 作曲=深沢敦 絵画作=渡邉満 宣伝デザイン=植野浩二 宣伝写真=鈴木利之 他

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