白波の食卓
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舞台は長崎県佐世保市鹿子前町。
海に囲まれた静かな町に、ひっそりと暮らす阿部祥子。
彼女は毎日、海を見つめている。五年前に弟を飲み込んだ海を…。
白波は、彼女の心に繰り返し繰り返し打ち寄せる。
その波に足を取られ、彼女はその場を動けない。
そんな時、東京に出たきりだった妹の基子が、友人の美咲を連れて帰って来る。
五年前の傷に土足で入り込む美咲。姉の時間を動かそうと奮闘1基子。
静かだった祥子の生活は一変した。
だが、その乱暴なまでのお節介に導かれて、祥子は気付く。
海に囚われているのが、自分だけではないということに。
この家は寂しそう。こんな綺麗なところなのに、
…どうしようもないぐらい、寂しそう。
あの日、彼を飲み込んだ海は、今日もまた乱反射を繰り返している。 -
第二回 福岡演劇フェスティバル参加作品
会場:西鉄ホール -
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