星砂たちの詩
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東京に住む八十歳になる祖父岩男が元気がない。
孫の貴男の計画で赴任中の沖縄に招く。しかし、現地に着いても
相変わらずで誰を見ても謝ってばかり。
そんななか、貴男夫婦が五歳の息子宏と星砂を探している間、岩
男は約六十年前の戦時中にもどる。そこで、乳飲み子を抱えた母親
の出来事が起こる。敵に見つからないように声を潜めるガマの中で
突然赤ん坊が泣き出す。将校に母子を外に出すように命令され、最
初は抵抗するものの、最後まで反抗することが出来ず、岩男は母子
をガマの外に押し出す。その直後に敵の銃撃にやられ、あっという
間に死んでしまう母親、しかし奇跡的に弾が当たらず助かった赤ん
坊が、母親の倒れ伏したその腕の中で激しく泣き出し岩男はとっさ
に、赤ん坊を強く締め殺してしまう。
岩男は、その時の赤ん坊を母親に渡しひたすら謝る。しかし、母
親は、死んだ命の魂は、流れ星となって海におち、星砂となって生
き続けているのだと伝える。 -
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