S市西町にある集団住宅「西の森団地」のD棟4階に位置する加胡路子の家。12月半ばの日曜の深夜。部屋ではひと組のふとんに路子と、老年の男・広満、ケン一が横たわっている。と、街の暗闇にサイレンが響き、爆発音が幾度となく起きる。そこに路子の携帯電話が鳴る。電話の主は路子の旧友･愛子。近所のショッピングセンターが火事になり、住居に燃え移る危険があるため避難させてほしいという。やがて、藍子と、藍子の夫で路子の幼なじみでもある哲央、娘の有季が団地にやってくる。為す術もなく鍋食事を始める6人だったが、次第に路子と哲央、そしてそれぞれの人間関係が浮き彫りになっていくーー
第5回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞、第70回読売文学賞戯曲・シナリオ賞受賞作品。

劇場/穂の国とよはし芸術劇場PLAT、Space雑遊　
脚本演出／桑原裕子　出演/小林勝也、井上加奈子、中尾諭介、増子倭文江、多田香織、平田満

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