水の駅
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この三部作の第一作「水の駅」の構想では、沈黙したまま演じること、そしてそれを人間の生きた時間とする方法として、きわめて遅いテンポで演じることを試みようとしていた。成算に何の保証もない冒険だったが、舞台にぽつんと立っている水道を思いついた時、わずかにこの構想を現実化できる目処が立ったように思えた。
舞台の中央に、把手の壊れた水道。その蛇口から糸のように細く流れつづける水と水の音。そして、その水場に通りがかり、近寄り、水に触れ、やがてどこへともなく去っていくさまざまな人々のさまざまな貌。この構成の中では、沈黙が単に形式としてでなく、人間の生きる時間として呼吸するものになるようにおもえたのだった。『太田省吾劇テクスト集(全)』早月堂書房より引用 -
【転形劇場】
1981年4月
会場:転形劇場工房
構成:演出/太田省吾
照明:辻本晴彦
制作:高野達也
出演(登場順)安藤朋子、井上弘久、笹島博文、品川徹、鈴木理江子、森屋由紀、小針和美ほか -
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