この三部作の第一作「水の駅」の構想では、沈黙したまま演じること、そしてそれを人間の生きた時間とする方法として、きわめて遅いテンポで演じることを試みようとしていた。成算に何の保証もない冒険だったが、舞台にぽつんと立っている水道を思いついた時、 ...
太田省吾

- 主な活動地域:
- 東京都
劇作家、演出家。1939年、中国済南市生。学習院大学政経学部中退。高校時代に書いた戯曲が大学のサークルで上演され、芝居に関るきっかけとなった。1968年、劇団「転形劇場」を創設、70年から主宰。同年、その上演台本として書いた「乗合自動車の上の九つの情景」が処女戯曲。1977年、能楽堂にて初演された「小町風伝」で、78年、第22回岸田戯曲賞受賞。劇団は1984年に第19回紀伊国屋演劇賞団体賞を受賞。1988年解散。湘南台文化センター市民シアター(神奈川県藤沢市)の初代芸術監督、京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科教授、日本劇作家協会理事なども務めた。代表作に「水の駅」、「↑(やじるし)」など。 海外公演、共同プロジェクトなども盛んに行ない、また『飛翔と懸垂』(1975年)他、演劇論集も上梓。2007年、67歳で逝去。