この三部作の第一作「水の駅」の構想では、沈黙したまま演じること、そしてそれを人間の生きた時間とする方法として、きわめて遅いテンポで演じることを試みようとしていた。成算に何の保証もない冒険だったが、舞台にぽつんと立っている水道を思いついた時、 ...
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1970年より、転形劇場主宰。「小町風伝」(第22回岸田國士戯曲賞受賞)「水の駅」「地の駅」「やじるし」等の作品を発表。国内のみならず、欧米、アジアなど世界的な活動を展開。84年紀伊国屋演劇賞団体賞受賞。1988年劇団解散後は、1990年~2000年まで藤沢市湘南台市民シアター芸術監督、94年近畿大学教授、99年京都造形芸術大学教授を歴任。「風の駅」「更地」「砂の駅」「ヤジルシ-誘われて」「だれか、来る」などを国内外で上演。93年第1回タシュケント国際演劇祭グランプリ受賞。98年第6回読売演劇大賞作品賞受賞。著作に、戯曲「小町風伝」「裸足のフーガ」太田省吾劇テクスト全集、演劇論集「舞台の水」「劇の希望」「動詞の陰影」など多数。
この三部作の第一作「水の駅」の構想では、沈黙したまま演じること、そしてそれを人間の生きた時間とする方法として、きわめて遅いテンポで演じることを試みようとしていた。成算に何の保証もない冒険だったが、舞台にぽつんと立っている水道を思いついた時、 ...
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舞台には腐食し錆びた乗合い自動車が一台。大型のジェット機が低空を飛ぶ夕暮れに、車掌、葬儀人、歌手、先生、犬番や闖入者などが現れ、九つの情景が繰り広げられる。太田省吾が初めて転形劇場で作・演出を手がけた作品。演劇評論家の扇田昭彦から別役実風の ...
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能舞台で演じられ、謡曲「卒塔婆小町」を下敷きにした老婆の幻想譚が描かれる。橋掛かりからゆっくりと現れる一人の老婆と古びた箪笥やふすまなどの様々な家具。それらは老婆の住むアパートの一室を形作り、人々が寄り集まってくる。能舞台の空間は現代に変容 ...
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なにを指しているのか不明な→(やじるし)がある夫婦の住む家の天井に現れた。つまはその指し示す方向の先へ誘い出され、家を出、彼女の後を追う夫とともに、→(やじるし)の先に現れる迷宮化した街と出会い、さまざまな生を生きる人々と出会い、やがて2人 ...
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長年住み慣れ得た家が解体されてできた更地に、ある夜、一組の夫婦がやってくる。 二人はかつてのわが家の跡をたどって、積み木遊びをしながら、記憶をさかのぼっていく。 なにもない地面の上、夜空の下、地球の上。 男、女、動物、生きている存在。 ...
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「水の駅」を始めとした太田省吾の駅シリーズの集大成ともいうべき作品。ゆったりとした動きと台詞無しの沈黙劇である。舞台は直径10Mの砂の円。そこにそれぞれの方角からやってきた旅人たちが、偶然に出会い、ひと時を過ごし、別れ、またどこかへと旅立っ ...
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