十六歳
-
汚い身なりのイスラム系の若者と、白いドレスのアメリカの少女、デイジーが横たわっている。どちらも片方の腕が痛い…。どうやら二人は死後の世界で出会ったらしい。天国に行くためには、自分の大切なものを三つ、相手に手にしてもらわなければならない。(自分の大切なものは、自分では触れない世界。)お互いの「大切なもの」に触れるうちに、全く違う境遇の二人が反発しつつも近づいていく。そしてラスト、二人はお互いの「腕の痛み」の理由を知ることになるのだが…。
2001年、アメリカ同時多発テロが起きた時に、第一稿が書かれた作品。なお、2022年の再演(小町座)は、15歳の中学三年生の井原蓮水が、天然で明るいデイジーを、アラフィフの小町座代表、西村智恵が、殺気立つ悲しみに満ちた子ども兵士を熱演した。今も戦争が絶えない世界にいる、少年少女たち…。物語ることを続けたい。 -
奈良市音声館 作・演出…小野小町 出演…大野美伸 武藤直緒
-
場合に応じて著作権者への紹介などを行いますので、以下のお問い合わせフォームに作品名を明記の上ご連絡ください。