麦わら大蛇
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働き者の嫁と一年中ごろごろしている婿がいた。しかし嫁は腹をたてることもなく、むしろそんな婿の体を心から心配していた。そんなある朝、婿は雀達から金や銀が出るといううわさを聞いた。今までだらだらと一歩も外に出なかった婿がその話しを聞いた途端はりきりその場所に行き、何と汗水流して金や銀を堀りあてる。一人で持って帰れない程のそれらを、婿は嫁に手伝ってもらおうと考え山を一端降りることにするが、その間に誰かにのぞかれない為に麦わらで蛇を作り置いてくる。ところで嫁はその気が全くない、イネが心配だから自分は行けない一人で担いでこいと言う。諦めた婿は一人で再び行くが、そこで待っていたものは自分が作った蛇が変身して本物になった大蛇。しかし実はそれは雀達と嫁のしわざ、大蛇に抱えられ見せられたみごとなイネ、大蛇の教えてくれた働く喜びを婿は心の中にしっかり刻んだ。
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