2011年に活動停止した、劇団『黒色綺譚カナリア派』第3回公演。

あらすじ。戦後の闇市で犬肉焼き鳥屋台を営む、吉雄と鉄雄。彼らは、幼馴染の要子、エロ写真売りの少年小四郎、犬殺しの馬麻らと精一杯うまくやって生きていた。しかし吉雄の片思い相手・三鈴が現れることで均衡が崩れる。吉雄は自分が捌いた犬の代わりに、三鈴のために人を殺す犬になるという。鉄雄は、今まで吉雄に守られていた分、今度は自分がお前を守ると肉包丁を手に取った。それぞれの欲望は成せずに霧散し、破綻して、新たなエロ写真として焼き付けられる。女犬は、捕まって閉じ込められて食われるだけだろうか。その先は誰も知らない。
今を抜け出すことすら考えられず、日々を生きることに手一杯な若者たちの物語。
しかし、抜け出すことを考えるのもまた億劫だ。

劇場：明石スタジオ
作・演出 ：赤澤ムック
出演：藤井としもり　吉川博史　中里順子　芝原弘　赤澤ムック　山下恵　斎藤けあき

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