わが家
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一幕。時は一九三○年代。所は行道の家の客間。行道の娘の邦子はかつて好きな男と駆け落ちし、実家とは疎遠になっている。が、夫が事業に失敗したため、実家の向かいに引っ越して来た。同時に実家に出入りするようになる。妻をなくした行道は息子と雇い人の由紀を結婚させ、二人の間には喜美子という娘がいる。が、嫁も孫も気に入 らない。実家から遠ざかっていた間に家の雰囲気はすっかり変わり、陰気になったと邦子は感じている。だから邦子はだれかれ構わず説教し、そのためにみんながいらついている。 由紀は最近しばしば娘宛に男名前の手紙が届くのを心配している。邦子は行道から失敗した事業の穴埋めの金をせしめるための、タイミングを図っている。同じ屋根の下に暮らしながら心のつながりを感じられない家族の様子を、即物的に描き出す。(「日本戯曲大辞典より」)
パブリックドメイン作品なので、許諾は不要となります。 -
1935年(昭和10年)、2月23日ー26日
築地座・田村町飛行館にて。
演出:岩田豊雄
出演:由紀/竹河豊子、邦子/田村秋子、行道/友田恭助、喜美子/堀越節子 -
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