月の影で息継ぎを
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作家は短編を得意とする人でした。いくつかの代表的な短編集がありますが、その中でも少人数で上演可能で工夫しやすい物をアーカイブしてもらうことにしました。作家は「もし許されるなら、ずっとお布団の中で呼吸していたい」と言っていました。社会や他者と交わることは大変な苦しさを伴うのだと言わんばかりでした。演劇は彼にとって道具でした。唯一、社会と他者と交流するためのツールだったのです。この作品の登場人物たちは、時空を超えて、あっちへ寄り道こっちへ遠回りしながら、目的を果たそうとします。それは作家が求めた「他者との遭遇」と同一目的です。いかがでしょうか、彼・彼らは他者に出会うことができるのでしょうか。ぜひ、一緒に旅をしてみてください。あなたにとっての「他者」との出会いが何を意味するかがちょっとだけ見えてくるような気がします。
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ドロブラ第5回公演、中野テルプシコール、2004年4月30日~5月2日、演出:福正大輔、出演:用松亮・中川真希・芝原弘・桑原尚子・結束雄一・こやまあつこ・萩原伸次・野村沙月、舞台監督:小笠原幹夫、証明:山上友恵、音響:堀弾
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