その十字路の先を右に曲がった。
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街から離れた丘の上に建つ1軒の農家-。そこでは夫婦が子どもたちや昔からの使用人に囲まれて、つつましく、しかし裕福に売らしているらしい。
ものがたりは、農協から派遣された共済(保険)の調査員が農家を訪れるところから始まる。というか、男のものがたり自体は始まらないままに終わってしまう。
街は年に1度のお祭りの真っ最中。そもそもお祭りなんてものは刈り入れの時期を迎えた農家では迷惑でしかない。それでも幼い子どもたちの気をそぞろにさせるくらいの魔力は持っている。
主人のいない館の中で、男は実態調査を始める。しかし、広い農場を隅々まで歩きまわったところで盗難の事実を示す手がかりは見当たらない。明らかになるのは、不自然なほど完成された館の意思決定構造とその運用の整然さ、主人の不在がもたらす目の前の機能不全ばかりだ。結論を急ぐ調査員。そんなとき、一番下の麦畑に泥棒が入った!
夏祭りのあいだの3日間。農場で起こった2つの不思議な窃盗事件をめぐるお話。
2020年、第3回人間座「田畑実戯曲賞」受賞作品 -
※初演
日時:2013年6月21日(金)-23日(日)
会場:アトリエ劇研(アトリエ劇研提携公演/京都芸術センター制作支援事業)
出演:浦島 史生(柳川)、延命 聡子、筒井 加寿子(ルドルフ)、田中 浩之(Will Be SHOCK Entorance Gate)、永榮 紘実、河西 美季、桐山 泰典(やみいち行動/中野劇団)、柿谷 久美子
脚本・演出:北島 淳 -
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