空腹者の弁
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この戯曲は何人でも上演ができる。役名等が記されておらず、登場人物の性別や人数も固定されていない。ストーリーらしいストーリーもなく、対話と詩を往来するかのように構成されている台詞の連なりでできている。演技術を駆使し摑みどころのない言葉でも我が物として発話する俳優の性(さが)によって、社会へのささやかな抵抗や虚しい冗談が繰り返され結論から大胆に逸れていくコミュニケーションとその時代性や場所性が舞台に立ち現れてくるのを観る作品である。
1997年の初演を含めて4度も上演されている、筒井潤がリーダーを務める公演芸術集団dracom(ドラカン)の代表作のひとつ。(初演はdracomの前身となる劇団ドラマティック・カンパニーのときに上演された。)
dracomで上演する際にはサイコロを振って出演俳優に台詞を割り振ってきたので、毎回まったく異なる演出の上演だった。dracomとして今後再演される場合にはまたサイコロを振るだろうが、この戯曲をより多くの人に自由に楽しく読み演じてもらえるように、この戯曲デジタルアーカイブではそのルールから解放した状態で公開する。 -
[初演]
劇団ドラマティック・カンパニー(現・dracom) 第7回公演
開催日|1997年3月7日〜9日
会場|ウイングフィールド
作・演出|筒井潤 -
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