『コンデンス』
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1988年に上演した『メンキ』をベースに、濃縮(condense)して再構成した作品。「わたし」は〈いる〉のか〈いない〉のか、問いながら、問われ続ける「酔いどれの小学生」、「吉田一郎」の散り散りに点滅1脳内マップ(酒呑童子→終点同時→駅→液体、天守→城→皇居、酔→宵→夕方(ゆうほう)→UFO、酒呑→猩猩→賞状→症状…etc.)を取っ掛かりに物語は迷走する。道行で出会う旅の老人ウソツキ5人衆、繰り返し増殖し、消滅し、主客が頻繁に入れ替わる爺と孫娘たち。そうこう1うち、孫娘の兄が「金星の粒宮城」から、立派な姿になって帰ってくる。そんな連続飲酒劇『かえってきた一郎』は、「演劇」とも「映画」とも「ラジオドラマ」ともつかぬ「曖昧で不確か」な疾患(質感)の世界へと変容と窯変を重ね、逸脱の限りを尽くし、一つの腫瘍(ブラックホール)に向かい、拡散と収束を同時に繰り返しながら濃縮を始める。そこには始まりも終わりもありはしなかった。
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劇場:七ツ寺共同スタジオ
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