滲む山
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故郷から遠く離れた場所に住む美紗。ある朝、高速バスで故郷に戻って来る。
西日本全域大雨災害で被害をうけた、寂れた海端の町。
同級生が住む実家の寺には、自分を娘のように育ててくれた祖父の眠る墓がある。
美紗の同級生が四人、朝の寺の境内に偶然居合わすこととなる。
寺の娘・翔子、妊活を行い、ようやく子供を授かったばかりの国勝・彩香。筏釣りを営む浩之。
理由も分からないまま、びしょ濡れとなる美紗、翔子、国勝、彩香。
原因である浩之は、ポリタンクとバケツを持って、寺の坂道を走り降りて行く。
受け入れるという行為が、何に対して受け入れることなのか、四人は無意識でいる。
山から見る朝焼け。山から見る夕焼け。山から見る月の光。
取りこぼしたくない風景や日常がそこにあり、生滅がある。
夜の境内で、美紗、翔子、浩之はゴンズイを弔う。
ゴンズイを焼く煙は、狼煙となって、海や山への鎮魂となるのかもしれない。 -
上演なし
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