鋏
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早春の土曜日夕刻。 大手商社集会室での生け花講習会場に多くの女子社員が集まる。衝立越しの隣室は独身社員 大津(仲代達矢)の大阪栄転歓送会場。生け花 の稽古より大津の話で賑わう女子社員たちの中に松子(大塚道子)と菊子(加代キミ子)がいる。
菊子は学生時代から松子を姉と慕い、二人はレズ的関係。松子は大津を愛して裏切られる。 菊子は松子を大津に獲られまいと金や衣服を大津に貢ぎ、彼と一晩を過ごす。大阪支店長 令嬢との噂もある大津は平然と二人を捨てて去る。泣き崩れる松子に、菊子は〈あの人を憎む)と言えと迫る。劇中で松子と菊子の愛憎の起伏に鋭利なハサミの音が効果的に使われる。作品の背後には能「松風」が匂う。(日本戯曲大辞典より) -
1958年俳優座劇場にて俳優座試演会初演。
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