小町風伝

  • 小町風伝
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劇作家:
太田省吾
目安となる上演時間:
2時間~3時間
目安となる上演人数:
16人以上 (男性12人、女性6人)
  1. 能舞台で演じられ、謡曲「卒塔婆小町」を下敷きにした老婆の幻想譚が描かれる。橋掛かりからゆっくりと現れる一人の老婆と古びた箪笥やふすまなどの様々な家具。それらは老婆の住むアパートの一室を形作り、人々が寄り集まってくる。能舞台の空間は現代に変容し、老婆の記憶を呼び起こす。この作品は稽古の過程で3分の2程の台詞はカットされ、ほとんど沈黙劇に近い形態となった。意識の奥底にある微細なものを引きずり出す老婆の超日常的な緩慢な動きと沈黙は、後の「水の駅」の沈黙劇に発展する契機となった。
    ※※※※
    神楽坂の矢来能楽堂で初演されたこの舞台は、近来稀に見る素晴らしい舞台と絶賛され岸田戯曲賞を受賞。1981年にはロンドンのICAで海外公演。「動きは言葉以上にモノを言う、という自明の理を、イギリスの演劇界はいつも外国の劇団から教えられる。人間を映す心が能の心と出会い、その結果は舞踊の観念と芝居の観念を切り離すことの出来ない、六百年の伝統に根差した異常なほどの権威に対する試みとなった。視覚的な美しさと哀れみを伴った、きらめくようなエキセントリックなユーモアの作品だった。」と英国演劇界から高い支持を得た。

  2. 会場:矢来能楽堂
    【出演】老婆:佐藤和代、少尉:増田再起、隣家の父:品川徹、娘:鈴木理江子、息子:大杉孝、村上さん:瀬川哲也、その妻:小野たよ子、子供1:田中寿一、2:真砂恵津子、3:桑田孝慈、サチ子:辻上彰二、住人(アンパンの男):生沢伸行、(襖の男):狩野芳利、(箪笥の男):津田好一、(携帯ラジオの男)笹島博文、(洗濯物の女)牛山君枝、フォークダンスの男:高木薫、フォークダンスの女:中谷実都子
    【作・演出】太田省吾、【照明】辻本晴彦、【音響】飯田博茂、【制作】高野達也、大谷洋子

  3. 場合に応じて著作権者への紹介などを行いますので、以下のお問い合わせフォームに作品名を明記の上ご連絡ください。