彼は闇の中、その者たちと共に高みに向かった。標高なのか、名誉なのか、精神なのか、そこに待っている高みがどのような類のものなのか、彼自身興味は失せていた。立ち止まり、黙々と進む人々の行列を眺め、感慨深くため息をついた。そしてかつての孤独と不安 ...
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劇作家・演出家。1976年京都市生まれ。近畿大学在学中の1999年に「烏丸ストロー クロック」を旗揚げ、京都を拠点に国内各地で演劇活動を行う。作品のモチーフとなる地域での取材やフィールドワークを元に短編作品を重ね、数年かけて長編作品へと昇華させていく創作スタイルが評価され、各地で演劇ワークショップや市民 参加型の創作も多く手がけている。近年では地域に伝わる神楽や祭、山伏文化と精神性に触れ、『まほろばの景』(2018/2020)は日本古来の感覚を呼び覚ます作品として反響を得る。また、俳優・スタッフには関西外からも多く人材を起用、ワークショップや市民参加型の創作も多数手がけ、団体や地域の垣根を越えた活動の中で、地方都市での持続可能な創作の形を追求している。第60回岸田國士戯曲賞ノミネート、平成28年度京都市芸術新人賞受賞。