敗戦時、朝鮮半島には百万を超える日本人が在住していた。 半島からの引揚げは、昭和二三年の夏までにほぼ完了したとされるが、 すでに日本に戸籍がなく、身元引受人もいない女たちに帰る場所はなかった。 女たちは「故郷の空」を歌い、「アリラン」 ...
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長田育恵(おさだ・いくえ)
東京都出身の劇作家、脚本家。劇団「てがみ座」主宰。シナリオ・センター、日本劇作家協会戯曲セミナーで学んだのち、井上ひさしに師事。2009年「てがみ座」を旗揚げ。2015年『地を渡る舟』にて第70回文化庁芸術祭演劇部門新人賞。2016年『蜜柑とユウウツ-茨木のり子異聞-』にて第19回鶴屋南北戯曲賞。2018年『海越えの花たち』・劇団青年座『砂塵のニケ』・PARCOプロデュース『豊饒の海』戯曲にて第53回紀伊国屋演劇賞個人賞。2020年『現代能楽集X~能「道成寺」「隅田川」より』にて第28回読売演劇大賞選考委員特別賞、PARCOプロデュース『ゲルニカ』にて同優秀作品賞。テレビドラマの近作では2021年『流行感冒』にてギャラクシー賞奨励賞・東京ドラマアウォード優秀賞。ほか『群青領域』『旅屋おかえり』など。2023年NHK連続テレビ小説『らんまん』の脚本を担当。
敗戦時、朝鮮半島には百万を超える日本人が在住していた。 半島からの引揚げは、昭和二三年の夏までにほぼ完了したとされるが、 すでに日本に戸籍がなく、身元引受人もいない女たちに帰る場所はなかった。 女たちは「故郷の空」を歌い、「アリラン」 ...
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「現代詩の長女」と呼ばれ 戦後の女流詩人の先頭に立ってきた彼女には、 隠された素顔があった―― 詩人・茨木のり子が亡くなってから4か月後のある日。 主を失った家に、 甥と編集者らが未発表の遺作を探しにやってくるが、 部屋にはそ ...
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それは、文字による箱舟――。 昭和20年春、本土決戦が叫ばれる街にひとりの男がいた。 男は敗戦を正確に予期し各地の農家を訪ね歩いていた。 「その日」を迎えた暁に、ただちに日本を再建するために。 旅する民俗学者 宮本常一。 ...
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